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平成十九年度税制改正のあらまし

 平成十九年度の税制改正は、七月の参議院選挙を念頭に置いたものとなって、増税項目は基本的に先送りされ、減税を前面に出した改正となった。 財政に及ぼす増減収の試算では全体で四千八十億円の減収で、そのうち中心は減価償却の大幅な見直しによる減税四千二十億円となっている。 もっとも減価償却減税といっても、赤字企業にとっては減税効果はなく、主として大規模設備をもつ大企業にとっての減税色が強い。 その他は大きな改正はなく、会社法改正や、信託法改正などの法環境の変化に対する税制面での整備がされている。 また昨年の改正で施行されたオーナー役員への役員給与の損金算入制限は、批判が相次いだことから、基準額を八百万円から千六百万円に引き上げて、対象企業を削減することにした。

《法人関係》

一 減価償却制度の抜本的見直し

 有形固定資産の減価償却資産の償却限度額はこれまで取得価額の五%を残すことになっていたが、この残存価額制度を廃止した。

  1. 十九年四月一日以後の新規取得資産

     法定耐用年数を経過した時点で一円の備忘価額まで償却が可能になる。
     そのために、定率法の場合には、償却率を定額法の償却率の二.五倍に引き上げる(二五〇%定率法)とともに償却方法を見直し、基本的に取得時当初の償却額を増加した。
     定額法の場合は、取得価額全額を耐用年数で均等償却をする。

  2. 十九年三月三十一日以前に取得した資産

     償却方法はこれまでの方法と原則として変わらないが、「償却可能限度額」(取得価額の九五%)まで償却が進んだ資産については、九五%に到達した事業年度の翌事業年度以後の五年間で、一円の備忘価額まで均等償却する。

二 中小同族会社に対する留保金課税制度の撤廃

 資本金が一億円以下の会社に対して、同族会社の留保金課税制度の対象から除外する。

三 役員給与

  1. 実質的な一人会社のオーナー役員に対する役員給与の損金不算入制度の適用除外基準が千六百万円に

     昨年度の税制改正で実施されたオーナー役員(特殊支配同族会社)の役員給与損金不算入制度で、適用除外となる基準額が八百万円以下であったが、十九年四月一日以後開始する事業年度から、この基準額が千六百万円に引き上げられる。

  2. 定期同額給与の範囲

     職制上の地位の変更により改定された定期給与を「定期同額給与」として取り扱う。

四 種類株式の評価方法の明確化

 会社法の成立によって、特定の種類株式に譲渡制限をつけることができるようになり、利用の幅が広がったことから、相続税法上の評価方法を明確化した。

  1. 配当優先の無議決権株式

     普通株式と同額の評価。ただし、相続人全体の相続税評価総額が不変という前提で、普通株式評価額から五%を評価減することも可能とする。

  2. 社債類似株式(一定期間後に償還される特定の無議決権+配当優先株式)

     社債に準じた評価(発行価額と配当に基づく評価)。

  3. 拒否権付株式(黄金株)

     普通株式と同額の評価。

五 特定非上場株式の贈与の特例(相続時精算課税制度の拡充)

 中小企業の事業承継対策として、贈与の特例が拡充された。オーナー経営者が、自社株を後継者である子供(代表者となる場合等に限る)に贈与する場合、相続時清算課税制度の年齢要件を六十歳に引き下げるとともに、非課税枠を二千五百万円から三千万円に引き上げる。
※ 発行済株式等の総額が二十億円未満の会社が対象。この特例選択後四年経過時点で受贈者が代表者かつ株式等五〇%超の保有者になることが条件となる。

六 特定資産の買換に係る特例措置の延長

 取得後十年を超える事業用の土地、建物等から土地、建物、機械装置等への買換を行った場合、譲渡資産の譲渡益について、原則八〇%相当分について課税の繰延べが可能となる特例措置を二年間延長する。

七 合併等対価の柔軟化(三角合併等)

 会社法の施行により平成十九年五月から可能となる三角合併等について、現行の組織再編税制の枠組みに沿って、資産の移転に伴う譲渡損益の課税繰延、被合併法人等の株主における旧株の譲渡損益の課税繰延を可能とする。

《個人関係》

一 土地・住宅税制

  1. 税源移譲に伴う住宅ローン減税の見直し

    住民税への税源移譲により、中低所得者層の所得税額が減少したことで、現行の住宅ローン減税制度では、当初の減税効果が確保できない可能性が生まれた。そのため、平成十九年及び二十年中の入居者について、減税率を下げて適用期間を延長する特例措置を創設し、現行制度と特例措置の選択制とする。
     なお、旧来の住宅ローン減税は、税源移譲に伴う税額控除額の調整を、住民税で実施する。

  2. 住宅のバリアフリー改修促進税制

    一定の居住者がバリアフリー改修工事を行い、平成十九年、二十年に居住の用に供した場合の改修工事のためのローン減税を創設。現行の増改築に係る住宅ローン減税との選択制とする。 控除税額は
    • バリアフリー改修工事に係るローン残高については二・〇%(限度二百万円)
    • 左記以外の増改築工事に係るローン残高については一千万円を限度として残高の一・〇%
      期間は五年間
    なお、 改修工事が完了した翌年度分の当該住宅に係る固定資産税の税額を三分の一に減額する(三年間)。

  3. 居住用財産の譲渡にかかる課税の特例

    • 特定の居住用財産の買換え及び交換にかかる課税の特例を、床面積の上限要件を撤廃して、3年延長。
    • 相続等により取得した居住用財産の買換え・交換の特例は廃止。
    • 居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除制度を三年延長。
    • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除制度を三年延長。

二 金融・証券税制

 上場株式等の配当、及び譲渡益に係る軽減税率(一〇%)は一年延長して廃止する。

《その他》

一 所得税の寄附金控除の拡充

 特定寄附金を支出した場合に認められる所得控除(寄附金控除)額は、「その年中に支出した特定寄附金の合計額」から5千円を控除した額とされている。この「特定寄附金の合計額」について、現行の算入限度額である「総所得の三〇%相当額」を「総所得の四〇%相当額」に引き上げる。

二 電子申告の特別控除の創設

  1. 電子証明書を取得した個人の電子申告に係る所得税額の特別控除制度の創設

    平成十九年度分又は平成二十年度分の所得税に係る確定申告において、それぞれの年の申告期限までに自己の電子署名を添付して電子申告を行った場合、いずれかの年に一回限り、五千円(その年の所得税額を限度)の税額控除を行う。

  2. オンライン登記申請に係る登録免許税の税額控除の創設

     平成二十年一月一日から二年間の措置として、一定の登記を受けようとする者が、オンラインにより当該登記の申請を行った場合に、その登記に係る登録免許税から、税額の一〇%又は五千円のいずれか低い金額を控除する。

三 信託法改正に伴う措置

信託法の改正により、多様な信託方法が選択できるようになった。これに伴い、原則として現行の受益者課税を維持するものの、不当に租税を回避するような場合には、受託者段階で課税を行う等の措置を講ずる。

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